お知らせ

山口貝類研究談話会は、2009年1月1日をもって、
軟体動物多様性学会に移行しました。

山口貝類研究談話会,新体制への移行についてのお知らせとお願い

山口貝類研究談話会役員会

山口貝類研究談話会は1988年の創立から20年が経過しました。近年,会誌・会報の刊行が滞っており,会員の皆様には大変御迷惑をおかけ致しました。山口貝類研究談話会ニュースレター今号に掲載した総会や役員会での議論を通して,当会は2009年より「軟体動物多様性学会」に名称を変更し,新体制のもとに活動を行うこととなりましたので,ここに報告し,会員各位の御検討・御理解を願うものです。

  1. 新体制への移行についての経緯
    ここ数年,総会や例会などの行事は継続してまいりましたが,会誌・会報の刊行が滞っており,会の活動が停滞した状況にありました。こうした状況から脱却するため,2006年以降,総会や役員会において議論を継続してまいりました。その結果,現在は会員・役員が全国に広がった状況にあり,会の創立当初とは異なった状況にあるため,会の活動基盤や目的そのものを見直す必要があると結論づけられました。そこで,地方貝類同好会的なものから脱却し,より普遍的・国際的な運営を目指して,「軟体動物多様性学会」という新体制へ移行することとなりました(2006年総会決議)。これに伴い,会誌 The Yuriyagai および山口貝類研究談話会ニュースレターは,2008年中に刊行する号をもって終刊とし,2009年から新たな形で会誌を刊行することになりました(2007年総会決議)。
  2. 新体制の活動内容
    新体制「軟体動物多様性学会」の活動内容は以下のように計画しています。

    目的:この会は,軟体動物の多様性を探究し,これを保全することを目的とする。
    事業:この会は,上記の目的を達成するため,次の事業を行う。
    A:総会,例会の開催。
    B:会誌(英文誌,和文誌)の発行。
    C:軟体動物研究及び軟体動物研究者育成を推進する事業(例えば,国際ワークショップの開催等)。

    従来と大きく異なるのは,会誌を英文誌と和文誌に分けること,軟体動物研究及び軟体動物研究者育成を推進する事業に力を入れることです。
  3. 英文誌と和文誌の体制
    これまで刊行してきたThe Yuriyagai は和英混交雑誌でしたが,2006・2007年の総会において,英文誌と和文誌の分離刊行が議決されました。英文誌の刊行については,上記の総会の時点では本会独自で行う方針も一旦打ち出されましたが,その後,これにはコストおよび労力上の様々な困難が予想されるようになりました。そこで,ニュースレター4号・5号に詳述されている,オーストラレイシア貝類学会(Malacological Society of Australasia)が従来より刊行を続けている国際誌 Molluscan Research を,同学会と当会とで共同刊行する体制とし,同誌を当会の英文誌と位置づけることが現実的かつ有益という提案が2008年度総会において決議されました。Molluscan Research の概要は以下の通りです(ニュースレター3号より再掲)。

    Molluscan Research はオーストラレイシア貝類学会が年に3回発行する雑誌で,軟体動物学のあらゆる分野にわたる研究論文や総説を刊行していますが,特にオーストラリア周辺から西インド太平洋を経て,日本を含む東南アジア地域に至る地域の研究論文の掲載を重視しています。このため,日本産の貝類や,それらと密接な関連を持つ題材も頻繁に掲載されます。内容は多岐にわたり,生理学・分類学・形態学・生態学や,保全や経済的有用性などに関する記事も対象とされています。読者として想定されているのはプロの軟体動物学者のみならず,「保全運動に関わる人,貝殻を集めて楽しむ人,アマチュア,学生,その他あらゆる観点から貝類に興味を持つ人」とパンフレットには記されています。

    Molluscan Research の共同刊行により,当会の会員は幅広い地域・分野にわたる質の高い情報を年3回受け取ることが可能となり,さらに場所を選ばずオンラインジャーナルにアクセスすることができます。また,論文を投稿しようとする人にとっても以下の利点があります: 原稿が受理されてから刊行までに要する時間が短くてすみます;インパクトファクターが与えられています(2007年度は0.606);主要な要旨配信メディアに要旨が掲載されます;掲載論文のpdfファイルは無料; pdfにはカラーの図も無料で掲載できます。このように,読者,著者双方にとって多くのメリットがあります。
     オーストラレイシア貝類学会の編集責任者である豪州博物館のWinston F. Ponder博士からは,共同刊行をぜひ2009年から実現したいとの返答をいただいております。また, Molluscan Research 掲載論文のうち,日本の読者にとって重要と考えられる内容を含むものは,当会が独自で刊行する和文誌に,要約の日本語訳や解説記事を掲載する予定です。和文誌の表題は Molluscan Diversity とし,研究報告,英文誌掲載論文の和文要約,会のニュースや告知,軟体動物学に関する教育・啓蒙などの総合誌として,年に2〜3回の発行を予定しています。なお,英文誌は共同刊行となりますが,オーストラレイシア貝類学会と軟体動物多様性学会は独立した存在であり,会そのものが合併するということではありません。
  4. 会費について
    The Yuriyagai は2003年12月に9巻2号が刊行され,ニュースレターは2004年9月に5号が刊行されて以来,刊行されておらず,会員の皆様には大変御迷惑をおかけしました。本年中に発行されるThe Yuriyagai 10巻1/2号,ニュースレター 6号については,2005年度分会計として計上させていただきます。そのため,軟体動物多様性学会としての会費は,2009年度分からお納め下さい。2006〜2008年度分の会費は非徴収とし,前納されている方は2009年度以降の分に繰り越させていただきます。会費は現在の3000円から,値上げを行います。Molluscan Research の共同刊行(年3号)だけで約4000円の経費がかかる予定なので,最終的には6000円程度となる見通しですが、会の活動が軌道に乗るまではいくぶん低価格(2009年度は4500円)で運営を行います。

 以上のように,会費,体制の大きな変化がありますが,皆様には今後も会員として,当会の活動を支えていただきますよう,心から御願い致します。

The Yuriyagai 10巻 1/2号発刊のお知らせ

 長らくお待たせしておりました,山口貝類研究談話会会誌 The Yuriyagai 10巻 1/2号が発行されました。内容につきましては,The Yuriyagai のページをご覧ください。
 なお,下記にありますように,山口貝類研究談話会の体制変更に伴い,会誌 The Yuriyagai は,本号をもって終刊となります。長らくのご愛読に感謝いたしますとともに,新雑誌につきましても,変わらぬご愛読のほどお願いいたします。

The Yuriyagai 終刊ならびに雑誌刊行開始のお知らせ

2008年12月8日
山口貝類研究談話会 The Yuriyagai 編集委員会

山口貝類研究談話会は2009年より軟体動物多様性学会と改称し,新たな体制へ移行することとなりました。これに伴い,The Yuriyagai は10巻1/2合併号をもって終刊いたします。
 軟体動物多様性学会においては,新たな和文誌を刊行するとともに,英文誌として,オーストラレイシア貝類学会(Malacological Society of Australasia)と共同でMolluscan Research(以下,MR)を編集刊行する予定です。
 和文誌は Molluscan Diversity(以下,MD)という表題で,研究報告や会のニュース,アマチュアへの情報などを含めるとともに,MR掲載論文の和文要約も掲載する予定です。
 2009年以降,軟体動物多様性学会を通じてMR及びMDの購読をご希望の場合は,原則的に同会へのご入会をお願いすることになりますので,あらかじめご了解ください。年会費の額は現在検討中ですが,2008年中に決定する予定です。従来 The Yuriyagai を有償購読いただいてきた皆様には,2009年にMRおよびMDが刊行された時点で,改めてご連絡させていただきます。オーストラレイシア貝類学会の現会員がMDのみを購読いただくことも可能です。
 新たな雑誌刊行体制への刷新は会員の皆様にとって有益と考えておりますので,皆様には従前同様のご支持,ご愛読を賜りますよう御願い申し上げます。