山口貝類研究談話会は、2009年1月1日をもって、
軟体動物多様性学会に移行しました。

 本州西端の山口県は、瀬戸内海、日本海、響灘の3海域に接しており、またユーラシア大陸とも近く、陸・海ともに高い生物多様性を誇ります。
 貝類に関しても、2000種以上の出現が記録され、中には山口周辺でのみ確認される種もあります。好奇心の赴くままに、まずは一歩、奥深く不思議な貝類の世界に踏み込んでみませんか。

山口県豊北町角島にて
(Aug. 31, 1998)

山口周辺特産の貝類

(左図)
ナガシマツボ
Ceratia nagashima Fukuda, 2000

本種は北大西洋東岸〜地中海に分布中心を有するCeratia 属の既知種において唯一、太平洋岸に分布しますが、未だに模式産地である山口県上関町の長島以外からの報告はありません(写真はThe Yuriyagai 7(2)より)

(右図)
(2〜8) ヤシマイシン
Tomura yashima Fukuda et Yamashita, 1997
(9) ヒメシマイシン
Tomura himeshima
Fukuda et Yamashita, 1997

この2種は、海産でもっとも原始的な異鰓類とされるカクメイ科 (Cornirostridae) に属し、腹足類の系統関係を探る上で非常に重要なグループです。両種ともそれぞれの模式産地(山口県八島、大分県姫島)以外での生息は確認されていません(写真はThe Yuriyagai 5(1-2)より)。