山口貝類研究談話会会誌 ユリヤガイ, 6(2). December 1998

原著

山口県黄波戸産超微小貝類 --1. 腹足類2種の記載:Cingulopsidae ホシノミキビ科 (新称;Sorbeoconcha 吸腔目 (新称)) の1新種と Ebalidae ガクバンゴウナ科 (新称;Heterobranchia 異鰓超目) の1未同定種

福田 宏・中村康博・山下博由

要約 日本海に面する山口県黄波戸の沖 (水深約 10 m) から得られた海産超微小貝類のうち,2種の腹足類,すなわち Eatonina (Eatonina) kitanagato sp. nov. キタナガトホシノミキビ (新種新称;Sorbeoconcha 吸腔目 (新称): Cingulopsidae ホシノミキビ科 (新称)) および Murchisonella sp. ヒサスケゴウナ (新称;Heterobranchia 異鰓超目: Ebalidae ガクバンゴウナ科 (新称)) が記載される。本報告は,日本からのホシノミキビ科およびガクバンゴウナ科の初めての正式な記録である。

キーワード: キタナガトホシノミキビ,ヒサスケゴウナ,ホシノミキビ科,ガクバンゴウナ科,腹足綱,新種記載,超微小貝類,山口県,日本海


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山口県産トウガタガイ科貝類(直腹足亜綱:異鰓超目)の再検討 --1.

堀 成夫

要約 分類学・生物地理学上重要な以下の6種の山口県産トウガタガイ科貝類について,殻の形態を詳細に記載した: Odostomia hirotamurana Nomura, 1938 レモンクチキレモドキ (新称),Brachystomia bipyramidata (Nomura, 1936) カキウラクチキレモドキ (新組み合わせ),Chrysallida tribulationis (Hedley, 1909) ロッコツクチキレ(新称・新組み合わせ),Pyrgulina brenda (A. Adams, 1860) ワラベクチキレ (新称),Oscilla tenpeii (Nomura, 1937) オオレールマキクチキレ (新称・新組み合わせ),O. bosyuensis (Nomura, 1938) レールマキクチキレ (新称・新組み合わせ)。レモンクチキレモドキ,カキウラクチキレモドキ,オオレールマキクチキレは生貝が採集されたので,軟体部の外部形態および生態についても記録した。ロッコツクチキレは日本新記録,カキウラクチキレモドキは日本海新記録,レモンクチキレモドキ,レールマキクチキレ,ワラベクチキレは,今回が原記載以来の発見となる。

キーワード: トウガタガイ科,形態,新記録,分類,山口県


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文献解題

大山桂・竹村嘉夫, 1957〜1963:貝類写真集の校丁と索引

松隈 明彦

要約 大山・竹村による貝類写真集の索引を,各分冊の出版・配本年月日,正誤表とともに作成した。

キーワード: 軟体動物門,索引,文献解題,分類学,大山桂,竹村嘉夫


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短報

山口県から採集された日本海新記録のベニシボリ(腹足綱:後鰓目)

堀 成夫・中村康博

要約 山口県日本海沿岸 (北長門海岸) に面する大津郡油谷町大浜から,Bullina lineata (Gray, 1825) ベニシボリの死殻2個体が採集された。これは本種の山口県および日本海からの初の記録である。本種は熱帯太平洋系要素の一つであるが,対馬暖流の影響によって北長門海岸に出現したものと考えられる。

キーワード: ベニシボリ科,生物地理,対馬暖流,日本海,北長門海岸,山口県,油谷町


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