山口貝類研究談話会会誌 ユリヤガイ,
8(2). August 2002
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原著論文
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ヨコスジギリ
(腹足綱:異鰓上目:トウガタガイ科)
の精莢と外部形態
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堀 成夫・黒田 玲子
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要約 北西太平洋産トウガタガイ科の一種,ヨコスジギリの外部形態を記載した。また,本種の精莢を初めて観察した。精莢はほとんどの場合,貝殻の殻口後方の周縁付近に付着していた。精莢の形態は細長く,先細りの管を伴い,既報告のParthenina
obtusa (Brown, 1827),Fargoa spp.,
Iolaea scitula (A. Adams, 1860)
ハチマキクチキレの精莢に似ているが,末尾部がネジ状に捩じれる点が特異的である。
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キーワード: トウガタガイ科,ヨコスジギリ,外部形態,精莢
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九州日本海沿岸から見出されたアシベマスオ
(二枚貝綱:シオサザナミ科)
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福田 宏・リチャード C. ウィラン
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要約 2002年4月,九州西部長崎県佐世保市長浦の砂干潟において,Soletellina
(Soletellina) petalina (Deshayes,
1855)
アシベマスオの新鮮な死殻が多数採集された。これは本種の日本海からの最初の記録であるとともに,日本全体でも確実な記録としては2例目となる。日本では本種の確実な記録は1990年以前には存在せず,恐らくは地球温暖化の結果,日本沿岸に最近になって
(自然に)
分布を拡大してきたことが示唆される。長浦においては,新鮮な死殻が多数見られるにもかかわらず,生貝は見出されていないため,その個体群はいまだ不安定な状態にあるのかもしれない。
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キーワード: アシベマスオ,分布,新記録,砂干潟,日本海,暖流,地球温暖化,佐世保市,長崎県
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有明海湾奥部へ新たに侵入した腹足類の移入種トライミズゴマツボとカラムシロ
(新生腹足上目)
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田牧 愛・馬堀 望美・石橋 猛・福田 宏
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要約 有明海における調査で,最近まで日本で知られていなかった2種の腹足類,
Stenothyra sp.
トライミズゴマツボ,およびNassarius
(Zeuxis) sinarus (Philippi, 1851)
カラムシロを見出した。トライミズゴマツボは韓国でも確認され,カラムシロはこれまで中国のみで知られていた。両種とも有明海では近年になって突然出現したことは確実で,Sinonovacula
constricta (Lamarck, 1818)
アゲマキなど食用貝類の中国大陸からの人為的な移入に伴って運ばれてきた可能性がある。今回は有明海湾奥部で確認されたのみだが,今後さらに分布を広げる危険性もあり,警戒が必要である。
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キーワード: ミズゴマツボ科,オリイレヨフバイ科,腹足綱,新記録,移入種,干潟,内湾,有明海
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Brief Communication
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絶滅危惧種カワネジガイ(腹足綱:有肺目:ヒラマキガイ科)
の和歌山県における新産地
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丸井 英幹
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要約 絶滅が危惧されている
Camptoceras hirasei Walker, 1919
カワネジガイを和歌山県のため池で発見した。カワネジガイは抽水植物である
Typha angustifolia L.ヒメガマと Scirpus
triangulatus Roxb.
カンガレイの根元の水に浸っている部分に付着していた。
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キーワード: カワネジガイ,絶滅危惧種,生息環境,ため池,和歌山県
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カシノメガイ (腹足綱: 有肺目:
オカミミガイ科) の本州日本海側新記録
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鈴木田 亘平
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要約 山口県豊浦郡豊北町肥中と萩市笠山虎ヶ崎において,
カシノメガイの死殻がそれぞれ1個体ずつ採集された。本報告が本種の本州日本海側における初めての記録となる。
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キーワード: オカミミガイ科,
カシノメガイ, 新産地,分布,日本海, 萩市笠山,
豊北町肥中, 本州, 山口県
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