山口貝類研究談話会会誌 ユリヤガイ,
9(1). August 2003
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Original Articles
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シロレイシとウニレイシ(腹足綱:アッキガイ科)に関する分類学的考察
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陳 國祥
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要約 Mancinella siro (Kuroda)
シロレイシと M. echinata (Blainville)
ウニレイシの2種は互いに著しく似た殻をもつが,それらは日本においては概ね別種とみなされてきた。しかしいまのところ,2種が別種であることを実証するに足る根拠はほとんどない。本研究では,これら2種の分類学的位置を評価するために,殻形態の概要に加えて,いくつかの形態形質が検討された。殻の微細構造,歯舌,陰茎の形態及び解剖では,これら2種は実質的に互いに区別できないものの,殻口及び蓋の形態の差異はそれらが分類学的に異なる地位を有することを示唆している。
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キーワード: アッキガイ科,キナレイシ属,分類
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カクレガニ科のカニ・メナシピンノに共生する新種ガンヅキ(二枚貝綱:ウロコガイ上科:ガンヅキ科)
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ヨルゲン ルッツェン・高橋 徹
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要約 新種の二枚貝 Arthritica
japonica sp. nov.
ガンヅキが,西日本の2ヶ所の干潟で,Pinnotheridae
カクレガニ科のカニ Xenophthalmus
pinnotheroidesメナシピンノの脚及び甲羅に付着していた。これはカニに偏利共生する二枚貝としては4番目の報告例である。本種は育仔嚢をもち,恐らく相互交雑を行う同時的雌雄同体で,殻長2
mm未満で繁殖すると思われる。成貝の小さなサイズの結果と思われるが,同じ科に属す他の種と異なり,外鰓葉は消失している。また,精子の頭部は非常に長く細いコルク螺子状をしている。
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キーワード: ガンヅキ,メナシピンノ,解剖,分類,共生,カニ類,日本
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徳島県吉野川河口域塩性湿地内に棲息するカワザンショウ類
(腹足綱:リソツボ上科) の分布
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黒田 美紀・和田 恵次・鎌田 磨人・鈴木田 亘平・福田 宏
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要約 徳島県吉野川河口域の塩性湿地に棲息するカワザンショウ類について,流程分布と地盤高に対する分布を春・夏・秋・冬の4季にわたって調査した。ヒラドカワザンショウとカワザンショウは,下流付近から上流までの広い範囲のヨシ原下部から上部にかけて分布し,特にヨシ原下方域で密度が高かった。クリイロカワザンショウは下流域,ムシヤドリカワザンショウは中流から上流域のそれぞれヨシ原の中部付近に分布していた。ヨシダカワザンショウは上流域のヨシ原上部に限定して分布していた。これら5種の分布の相違を,塩分濃度の勾配,ヨシ原密度,落葉枝の被度,乾燥などの環境条件と関連させて考察した。5種のカワザンショウ類のうちヨシダカワザンショウ以外の4種は,ヨシ体に付着し,付着個体は夏期に多く,冬期に少なかった。
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キーワード: ヒラドカワザンショウ,カワザンショウ,クリイロカワザンショウ,ムシヤドリカワザンショウ,ヨシダカワザンショウ,垂直分布,流程分布,ヨシ原,塩性湿地,河口域
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