冬でも秋なみに光合成を行っている植物を確認
〜温暖化の影響か?
2007年2月2日

冬季にも秋と同じくらいに光合成が行われている植物があることを確認し、東邦大学植物生態学研究室(助教授:丸田恵美子)・山梨県環境科学研究所が本格的に調査・研究に乗り出しました。植物は光合成により、太陽光(光エネルギー)を電気エネルギー・化学エネルギーに変換して糖類(炭水化物)を合成します。例年、常緑樹では冬季、葉があるにもかかわらず、葉緑素が減り黄色味を帯びて、光合成量が非常に低下します。しかし今冬、東邦大学構内の常緑広葉樹では変化が見られませんでした。そこで、常緑広葉樹であるスダジイ、シラカシ、タブノキの二酸化炭素吸収量と排出量から、光合成量を示す炭素同化量を調べたところ、冬季でも秋季と同じレベルの光合成量があることが分かりました。
 この現象は、今冬の暖冬傾向が原因であると考えられ、地球温暖化が言われ出した近年、たびたび起こっていたと推測されます。この現象が今後も続くと、常緑広葉樹の分布域が徐々に標高の高い方へと拡がっていく可能性があります。今後、光合成量と気温変動との比較、来年以降との比較、及び常緑広葉樹の分布域調査などが必要となり、継続した調査を行っていく予定です。

【お問い合わせ先】
東邦大学理学部 東京湾生態系研究センター
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