2007年10月9日
小櫃川河口に位置する盤洲干潟(千葉県木更津市)において、アサリなどの二枚貝に寄生し、漁業被害を及ぼしているカイヤドリウミグモNymphonella
tapetis Oshima, 1927
について現状調査を行い、(財)水産無脊椎動物研究所発行の「うみうし通信」9月号に報告しました。また、10月13〜14日に東京海洋大学で行われる第45回日本甲殻類学会において報告されます。 |
カイヤドリウミグモはアサリなどの二枚貝に寄生することが知られています。しかし、日本国内での出現記録は非常に少なく、本種の生態に関する知見はほとんどありません。今年4月に千葉県の小櫃川河口に位置する盤洲干潟において、アサリおよびマテガイから本種の寄生が伝えられ、その後、両種とも大量斃死が確認されました。そのため、現地の2漁業組合は6月後半よりアサリの出荷を停止しました。(現地の2漁業組合のウェブサイトによると、現在、養貝場内で生産できる貝については従来通り鮮度が保てることが確認できたため、養貝場での生産を行い、出荷を再開しています。) |
(文/森上需:東邦大学東京湾生態系研究センター)
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