市川市・東邦大学理学部東京湾生態系研究センター共同編集
「干潟ウォッチングフィールドガイド 君も干潟生物調査員」 発売
連動企画「干潟モニタリングプロジェクト」始動

2007年4月25日

東邦大学理学部東京湾生態系研究センター(センター長 風呂田利夫)が、市川市の支援のもと編集した書籍「干潟ウォッチングフィールドガイド〜君も干潟生物調査員」が、2007年5月1日、(株)誠文堂新光社より販売(定価¥1,500)されます。主に東京湾周辺の干潟域で生物を観察するためのガイドブックです。構成は小・中学生向けにつくられていますが、内容は子供から大人まで、そしてこれから海洋生物学・環境保全政策の研究を志す人たちの入門書としても利用できるようになっています。

 本書は三番瀬環境保全の議論の中から生まれました。市川市から東邦大学理学部東京湾生態系研究センターへの依頼で、2002年から4年にわたり行政関係者や住民の参加のもと「三番瀬と周辺の干潟に関する科学的調査」が行われました。その過程で、環境保全を進めるには、干潟を身近なものにし、環境学習を進める必要を感じたことが本書を製作するきっかけとなりました。
 生物の生態やその観察の面白さを紹介するにとどまらず、東京湾の歴史や干潟の環境保全的視点での解説、観察データの扱い方と標本の作り方など幅広い内容です。研究者自身が執筆・編集したことで実現したフィールドガイドです。ゴカイ類のチロリやツバサゴカイ、巻貝類のカワザンショウガイ、そしてエビ・カニ類のムロミスナウミナナフシなど、今まで類書では取り上げられることのなかった生物も多く紹介・解説されています。
 また、東邦大学理学部東京湾生態系研究センターでは、本書との連動企画として「干潟モニタリングプロジェクト」を開始いたしました。このプロジェクトは干潟生物の多様性をいろいろな場所で、多くの人が同じ方法で調査し、情報を共有することで、より多くの情報を得ることを目的としています。各地での自然観察会において実際に市民参加型の生物調査を行ってきた経験から、多くの人がより手軽に、そして確実に行えるように開発した統一手法による調査を継続的に東京湾周辺で行う予定です。

現在決定している生物調査

2007年5月19日(土) 多摩川河口干潟観察調査会

主催 国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所
協力 NPO法人 海辺つくり研究会・地域パートナーシップ支援センター
後援 東邦大学


【お問い合わせ先】
東邦大学理学部 東京湾生態系研究センター
森上 需
TEL・FAX:(047)472-1159