東京港生物調査

2010年1月のお台場海浜公園

2010.1.24


(写真:多留聖典)

 東京港水中生物研究会では、2002年以降、継続的に東京港のお台場海浜公園および船の科学館に置いて潜水観察を行い、映像資料の収集や生物記録などを行ってきた。2010年に日本水中科学境界が発足し、今後はその申請事業として行われることとなり、調査のあり方にも変化が生じてきたことから、随時観察結果を本サイトで示してゆくことにした。こちらはお台場海浜公園の状況である。


 1月は水温が低下しておりおよそ10度ほどである。そのためプランクトンの発生が少なく、透視度が比較的良好なため小型のベントスが発見しやすい。海浜公園では小型のイソギンチャクであるホウザワイソギンチャクがよく見られた。東京湾の湾奥部ではふつうに見られるが、全国的には報告の少ない種である。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 海浜公園の潮下帯砂泥底で見られたヨコイトカケギリダマシ。ミズヒキゴカイなどに付着して体液を吸っているようだが、ときに単独で海底を這っている姿を見かける。潮間帯では本種はほとんど見られず、ヒガタヨコイトカケギリが多いようだ。


 白色の半透明の体を持つキセワタ。外からは見えないが、中には薄い殻がある。ヨコイトカケギリダマシ同様、潮下帯砂泥底で見られ、潮間帯ではほとんど見られない。よく見るとなかなか美しいが、肉食で他の貝類などを捕食しているようである。


(写真:多留聖典)

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