東京港生物調査

2010年5月のお台場海浜公園

2010.5.30


(写真:多留聖典)

 2010年5月のお台場海浜公園は、ようやく海水温も徐々に上昇してきた。それに従ってプランクトンも大量に発生することがあり、時によっては赤潮となって全く水中視界がないこともある。
 今回は運良く無視界ではなかった。大きなイシワケイソギンチャクがいくつも開いているのが見える。写真の個体は一部の触手が白化している。


 海底に、サルボウの赤い軟体部が覗いていた。アカガイによく似ており、食用にもなる。しかし、そのよく似たアカガイは今やほとんど見られない。また、近似種に外洋に面した砂浜に棲息するクイチガイサルボウがあり、殻の腹縁が食い違っているとされるが、サルボウもほとんどの個体は食い違っている。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 海底の転石に付着していたエゾカサネカンザシ。白い石灰質の棲管をつくり、水中に触手冠を広げている。体全体を見る機会はほとんどないが、丁寧に棲管をはがして取り出すと、確かに多毛類のからだが姿を現す。

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