東京港生物調査

2010年7月のお台場海浜公園

2010.7.25


(写真:多留聖典)

 2010年7月のお台場海浜公園は、海水温の上昇はあるものの貧酸素水塊の影響を受け、多くの生物が死滅してしまう。特に潮下帯の海底はバクテリアに覆われており、白く光っている。ミズクラゲの死体が海底に沈んでいた。


 海底に、何かが這ったような跡が続いていた。跡をたどるとサルボウであり、まだかろうじて生きていた。サルボウは軟体中にミオグロビンを含むからか、比較的貧酸素には強いようだが、それでも限界はあるだろう。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 潮間帯付近には、カニヤドリカンザシとヒガタスピオが棲管を作っていた。波の動きで多少は酸素が取り込まれるからだろうか、潮間帯では比較的多くの生物がまだ生きている。しかしこの後、有害な硫化物が発生するとこれらの生物も無事ではいられない。

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