東京港生物調査

2010年9月のお台場海浜公園

2010.9.26


(写真:多留聖典)

 2010年9月には、2ヶ月前の貧酸素の影響はかなり薄れ、再び生物のにぎわいが訪れていた。しかし、まだ弱っている生物や、死骸も多く見られた。サビシラトリガイとアラムシロ。サビシラトリガイは本来、30cmほどの深さで砂泥中に埋まっているのだが、なぜか表面に露出し、水管をアラムシロに襲われて?いた。


 海底には大量のホンビノスガイがみられた。恐らくこれらの個体は無事に貧酸素を乗り切ったのだろう。外来種である本種は、貧酸素耐性が非常に高いことが示唆されており、在来種が棲息できないような環境下でも生存できることが、東京湾での定着に繋がったのではないか。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 最も驚いたのは、岸近くの転石場を埋め尽くす、おびただしい数のマハゼである。これだけの個体数を見たのは、調査を始めて以来、初めてのことである。他の調査者によれば、この日は沖でアカエイの大群が見られたなど、魚類が多く観察された。

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