東京港生物調査

2011年8月の東京港

2011.8.28


(写真:多留聖典)

 船の科学館の休館にあわせ、東京港の定点は今回が最後の観察となった。こちらの海底は海浜公園と比較して、干潮時に干出する場所が少なく、また岸壁などがムラサキイガイなどの付着生物に覆われているせいか、多くの範囲がバクテリアに覆われ、岸壁の直下は落下した付着生物の死体がつもっていた。昨年の7月とほぼ同様の状況である。


 やはり貧酸素に強いのは、刺胞動物や多毛類であった。写真のオレンジ色に見えているのは、ミズヒキゴカイ科Dodecaceria 属の1種。イソギンチャク類、スピオ類やカンザシゴカイ類もその間に見られた。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 海面近くの岸壁はやはり干満によって、貧酸素の影響が緩和されるのも昨年7月と同様であった。ミドリイガイやコウロエンカワヒバリガイ、チギレイソギンチャク、ホソガヤ科?の1種 、マンハッタンボヤなどが見られた。また、釣り餌の放逐だろうか、アオゴカイが1個体採集された。

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