東京港生物調査

2011年9月のお台場海浜公園

2011.9.25


(写真:多留聖典)

 2011年9月には、未だ貧酸素の影響は残るものの、海底を広く覆っていたバクテリアマットはほとんど姿を消した。それに代わって、覆い隠されていた多数の生物の死殻が現れた。比較的貧酸素に強いホンビノスやサルボウも例外ではない。軟体部が残ったままの貝の死骸も多く見られた。


 比較的影響の少なかった岸近くは、多数のムラサキイガイやミドリイガイの幼貝が付着していた。もうしばらくすると、やや深い場所でムラサキイガイが死滅した空間にもミドリイガイが侵入する。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 前回から気になっていたのだが、所々に見られる鰓糸の赤いカンザシゴカイを採集してみたところ、どうやら外来種のナデシコカンザシのようであった。東京湾での確認は2例目であるが、エゾカサネカンザシに混ざって今までも棲息していたのだろう。なお、色彩の異なる個体もいる。

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 出典を明記しない引用を禁じます。
写真の著作権は撮影者に帰属します。写真の無断使用を禁じます。
 

東京港生物調査 Indexへ