東京港生物調査

2011年11月のお台場海浜公園

2011.11.27


(写真:多留聖典)

 2011年11月、17度とドライスーツでないと厳しい水温になった。水中ももはや冬の生物が目に付くようになり、やはり恒例のトゲアメフラシの大群が見られる。今年は既に産卵が始まっており、初夏まで産卵が見られたので、産卵期はかなり長いのかもしれない。


 海底に無数の、直径2mmほどの小さな穴があいていた。何がいるのかと待っていると、現れたのはニッポンドロソコエビであった。砂泥底にトンネルを掘って暮らすヨコエビである。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 ひとかたまりのカキ殻に、エゾカサネカンザシ(左)、ナデシコカンザシ(中)、そしてカニヤドリカンザシ(右)が同居していた。これらの内、少なくともエゾカサネカンザシ以外は移入種である。カニヤドリカンザシは棲管や鰓糸の形状が他と異なるが、残りの2種の棲管・鰓糸は非常に似ており色彩変異があるため、水中では識別を蓋で行うしかないが、多くの場合付着物に覆われているので確認が非常に難しい。

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