東京港生物調査

2012年6月のお台場海浜公園

2012.6.24


(写真:多留聖典)

 2012年6月のお台場海浜公園の海は、温度が上がるとともに濁りが強くなってきた。海底も貧酸素状態が発生しているようで、前回あれほど目に付いたガンゼキフサゴカイの一種は、棲管が崩壊して無惨な状態であった。ミズクラゲが暗い海中を漂っていた。


 人工漁礁のメバル類はすっかり姿を消し、ユウレイボヤが全体を覆い、その間にはヒドロ虫やPolydora 属などが入り込んでおり、完全に付着生物が優占する状態であった。支柱部分にはヨーロッパフジツボやアメリカフジツボが多く見られた。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 多数のアラムシロがカキ殻の上に蝟集していた。衰弱した付着性物を捕食しているのか、もしくは繁殖に関する何らかの行動なのかは判らないが、周囲にはカプセル状のアラムシロの卵塊も目に付いた。


 アナジャコの幼体。全長で2 cmほど。普段は深い穴を掘っており、そこから出てくることはほとんどないが、このときは複数の個体が海底上で見られた。


(写真:多留聖典)

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