東京港生物調査

2012年7月のお台場海浜公園

2012.7.29


(写真:多留聖典)

 2012年7月末のお台場海浜公園の海中。毎年の繰り返しであるが、海底は白色のバクテリアマットに覆われていた。アシナガゴカイと思われる死体。


 人工漁礁に、先月まで大量についていたユウレイボヤは脱落し、海底で分解されたのか姿を消していた。そして、スピオ科のPolydora 属の棲管が表面を覆い始めていた。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 そんな中でも、移動性の高いイシガニはまだ活発に活動していた。泳いで逃げることもできるし、多少の時間であれば地上に避難できるこのような種は比較的貧酸素の影響を回避しやすいのだろう。


 しかしながら、同じカニでも移動能力があまり高くないタカノケフサイソガニやケフサイソガニ、イソガニなどの死体が海底に多く見られた。陸上に逃げることは不可能ではなさそうだが、移動距離に限界があるのだろう。


(写真:多留聖典)

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