東京港生物調査

2012年10月のお台場海浜公園

2012.10.28


(写真:多留聖典)

 2012年10月のお台場は、ようやく貧酸素水塊の影響が少なくなり、透視度も回復し始めた。ベントスも活発に活動するようになり、ユビナガホンヤドカリの姿も目立った。

 まだ海底には白い硝酸還元菌のマットが見られたが、それでもその中にマメコブシガニなどの姿があった。浅い場所に避難して無事に貧酸素をやり過ごせたようだ。


(写真:多留聖典)


(写真:多留聖典)

 例年10月末には多くの外洋性の生物も姿を見せる。この1個体しか見られなかったが、浅瀬にはゴミの間を漂うヒメイカの姿も見られた。世界で最も小さなイカである。

 人工漁礁には、シマイサキの幼魚が群れていた。しかしこの人工漁礁、だんだんと沈んでしまっているようで、既に最下層が海底に埋没しかかっている。


(写真:多留聖典)

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