東京港生物調査

2012年12月のお台場海浜公園

2012.12.30


(写真:多留聖典)

 12月30日。2012年最後の潜水である。水底にはやはり多くのマンハッタンボヤやユウレイボヤ類など、ホヤ類が大きく育っている。そしてその間にも、多くの動物が動いていた。

 前回、ようやく眼にしたトゲアメフラシであったが、その数は遙かに多くなっていた。何個体かが連なるように進んでいたり、数個体ずつの塊を作っていたりと、様々により集まっていた。


(写真:多留聖典)


(写真:多留聖典)

 人工魚礁に目を移すと、そこには4cmほどもある大きなアカエラミノウミウシが這っていた。かなり地味な色合いの付着物に覆われた人工漁礁の表面に、淡赤色がひときわ目立つ。

 移動中の水底に、見慣れないクラゲのような生物を見つけた。よく見ると櫛板が放射状に配列しており、クシクラゲ類(有櫛動物)であることが判ったが、このような種を見るのは初めてであった。後で非常に報告例の少ない稀種ロバトランペアであったことが判明。


(写真:多留聖典)


(写真:多留聖典)

 エグジット間近の水底に、全長で8cmほどの、大型のニホンスナモグリの姿が見られた。この種は一度、底質の表面に出てくるとなかなか再び潜れないのだが、どうしたのだろうか。

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