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第1回国際アサリシンポジウム

2008.11.15

 


(写真:多留聖典)

 2008年10月25日、世界水産学会議サテライトシンポジウムとして、「第1回国際アサリシンポジウム−資源増殖と管理−」 (The First Symposium on Asari Clam -Stock enhancement and management-) が横浜で開催された。アジア各国、北米(北米のアサリは、日本からの移出)、ヨーロッパ(これも移出だろう)で重要な水産資源であるアサリの国際シンポジウムは、意外にも初めてだという。
 各国のアサリを巡る状況が発表され、まるで畑を耕すようにトラクターで干潟に稚貝を蒔き、イモ掘りで貝を収穫するアメリカの養殖や、日本でも北海道の殻長7cmほどもあるアサリは感動に値した。アサリと縁の浅い筆者も、ポスター発表でアサリにも寄生するカイヤドリウミグモの写真を大量に貼ってきた。アメリカのアサリ養殖の演者であるBill氏に、「こんなの見たことある?」と訊いて「No!ダンジネスクラブはいるけどそんな気味の悪いものはいない」と力強く否定されたり、ポスター前に東京湾のカイヤドリウミグモ関係者がはじめて一同に会し、学生有志で「ウミグモ友の会(仮称)」が結成されたりといろいろ進展があった。


 26日は対岸の小櫃川河口干潟の見学が行われた。参加者は東京湾に広がる広大な砂干潟で、ほぼ発作的にあっちこっちを掘りながら歓声を上げていた。知人の一人はチクゼンハゼやエドハゼの入るニホンスナモグリの穴を、別の知人ご一行はサキグロタマツメタを探しまくり、中国のZ氏はイボキサゴを見て「これは何だ」と訊きまくり(キサゴの英名が判らなかったので、学名を教えて逃げた)、みなさん程良くアサリ以外の生物にも関心を向けていて微笑ましいものであった。私はといえば、6月にアサリについているのを確認したイボキサゴナカセクチキレモドキ近似種をもう一度見つけようと、篩を持って探していたのだが、結局発見できなかった。 


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 それ以外にも、やたら遠くに行ってしまった参加者を船で迎えに行く羽目になったり(すみません。ご迷惑をおかけしました)、ぜんぜん違う駅で降りてしまってやたらに遅く現れた参加者もいたり、自己主張がやたら強い国民性を感じ取ったり、妙におどおどしちゃったりと、アサリを巡っていろいろな文化・国民性や人間模様が見られた2日間であった。今後も、継続的にアサリシンポジウムは行われ、次回はタイだということである。

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 出典を明記しない引用を禁じます。
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