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熊本探訪(1)
(2008年度プランクトン・ベントス学会in熊本)

2008.9.5

 


(写真:多留聖典)

 2008年9月4〜7日、熊本県立大学において、日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会が開催された。学会初日の4日には各種委員会が催され、発表などはないので特に行く必要はなかったのだが、環境省のモニタリングサイト1000干潟分科会のメンバーから呼び出しがかかったので、熊本県立大に赴いた。
 私は委員ではないので委員会自体には出席しなかったのであるが、場を改めた延長会議が行われ、今後の展開についての話し合いに参加してきた。写真は、なぜか皿に載せられて同席していた干潟の住人、Upogebia major である。さすが有明海を望む熊本であり、豊かな水産資源を活用している。


 翌日から発表が行われた。主にベントス関連の発表を聴いたのであるが、自分で見ることはほぼない深海生のものや、地理的に局限された生物の情報・研究など「へぇ〜」と思ったり「え〜?」と思ったりといろいろな感想を持った。
 私も、会員ではないが羽田沖周辺のベントス群集評価や磯観察会での安全確保と指導者の意識調査など、共著者に加わっていた発表を見届けた。ポスター発表は、今回は軽食付きで行われたため、かなり長い時間みんな粘ってしまっていた。ただ、これは面白いので、次回は是非ビールぐらいは出しても、さらに議論が白熱していいのではないかと思ったりした。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 懇親会までに少し時間があったので、会場の近くの水前寺公園を見てみることにした。水前寺公園に行ったらやはりスイゼンジノリを探さなくてはいけないと思ったのだが、やはり事前の情報通り公園内からは絶滅してしまったようで、残念ながら全く見られなかった。ただ、湧水由来らしく、池の水がたいへん清冽であるのには感心した。少なくとも、ドブ臭い濁った公園の池では、何か生き物を探してみようという気にはならない。池の周囲にはミヤマアカネやハグロトンボが飛んでいたり、池の中にはたくさんのチリメンカワニナが這っていたりと、ちょっとした空間でも水がよければ印象がだいぶ異なるのだなと感じた。

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 出典を明記しない引用を禁じます。
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