サンバンセツバサゴカイ 2005.12.17 |
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東京湾湾奥部の生物は、身近な海でありながらまだ多くの謎に包まれており、新たな発見が続いている。そんな生物の一つが、2004年4月に新聞で報道された「サンバンセツバサゴカイ」である。 |
東京湾には、本種に類似する別種が棲息している。アシビキツバサゴカイ近似種 S. aff. okudai は、サンバンセツバサゴカイより深い水深の泥底で見られる。2005年12月8日に、葛西臨海水族園の調査に同行し、葛西沖で潜水する機会を得た。その際、水深6m前後の海底に数多くの棲管が確認された。写真のイソギンチャクの周りにからみついている、透明なチューブが棲管である。ただし本体は入っていないものが多かった。 |
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注意深く海底を観察すると、ところどころに海底から突き出した棲管が確認された。しばらく見ていると、そこから2本の副触手髭が伸びて、水中でゆらゆらと動いていた。どうやら、こうやって水中の浮遊物を集めているように見える。 |
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東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 引用元を明記しない引用を禁じます。 |