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宮崎探訪(7)
(第21回魚類生態研究会)

2010.2.11

 


(写真:多留聖典)

 いよいよ宮崎も最終日である。天候が不安定でときおり雨がぱらついたが、とにかく出発した。空港への途中で、宮崎市の阿波岐原森林公園に立ちよった。ここから海へ向かって歩くと、広く開けた一ツ葉干潟である。残念ながらここも建築廃材が廃棄されている。ひっくり返したらサツマゴキブリが現れた。いかにも九州らしい気分になる(最近は人為移入で伊豆諸島にもいるが)。


 周囲にはヨシが生えており、やはり根元付近にはフトヘナタリ、ヘナタリ、カワアイ、カワザンショウ、ヒラドカワザンショウ、ヒナタムシヤドリカワザンショウ、クリイロカワザンショウといった定番の巻貝が見られた。そして予想外にもコメツキガニ、ハクセンシオマネキの活動する姿も見られた。生きているものは見られなかったが、ノコギリガザミ類の鉗脚も見られた。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 干潟面にはムギワラムシの棲管がいくつもつきだしていた。砂を掘ると、ハマグリ、ユウシオガイ、ムラサキガイ、オチバガイなど、関東の干潟ではほぼ見られない二枚貝が現れた。しかしながらユウシオガイ以外の3種は小型の個体のみであった。そして裏ごしを使うと、ヘコミカマカ、トリウミアカイソモドキ、ピンノの1種などの甲殻類が見つかった。
 非常に風が強くなってきたのでここで探索をうち切ったが、時間があればさらに多くの生物を発見できたに違いない。

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 出典を明記しない引用を禁じます。
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