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宮崎探訪(6)
(第21回魚類生態研究会)

2010.2.10

 


(写真:多留聖典)

 櫛津干潟を探索していたが、潮が満ちてきたので、再び赤水の海岸に戻った。前回は潮間帯から比較的浅い場所を主に観察したが、今回は多少深い場所を観察の主眼にすることにした。海に入るとまずはボラ科の幼魚が目に付いた。水深数mの岩礁付近にはハリセンボンが複数見られた。岩陰にはキリンミノ、ハナミノカサゴ、オニカサゴ属の1種、キタマクラなどが見られた(毒魚ばかり・・・)。


 ハリセンボンのいた岩礁を回り込み、ふと岩盤を見ると、ハネウミヒドラが一面を覆うように付着していた。その一部がなぜか円形脱毛症のように丸く岩肌が露出していた。よくみると、その中央にオオタマウミヒドラが流れに体を揺らしていた。どうやら、オオタマウミヒドラが揺れ動く範囲内には、ハネウミヒドラは入れないようであった。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 ふと目の前を半透明なものが横切った。気づけば周囲には大型プランクトンが至るところ目に付いた。外海からの水塊にあたったのだろうか、ヨウラククラゲ類、チョウクラゲ、カブトクラゲ、オビクラゲ、サルパ類など、たくさんの半透明な動物が海中を漂っていた。なお、これらの生物は捕獲しても崩壊してしまい、資料も乏しく確実な同定に至る種が少なかったのは残念。写真はカブトクラゲ Bolinopsis mikado

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 出典を明記しない引用を禁じます。
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