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黄金崎スカシカシパンプロジェクト (1)

2005.11.12

安良里ダイビングセンターからのリンクでいらっしゃった方へ

いらっしゃいませ。こちらは東邦大学理学部東京湾生態系研究センターです。
スカシカシパンプロジェクト(2)スカシカシパンプロジェクト(3)その他のコンテンツも是非ご覧ください。


(写真:多留聖典)

 東京湾ではないが、伊豆半島の西海岸にある西伊豆町安良里において展開されている「黄金崎スカシカシパンプロジェクト」に本センターは参加している。タコノマクラ類やカシパンウニ類などの非正型ウニ類は、砂泥底仁多く見られるが、その生態については解明されていない部分が多い。特にタコノマクラ・スカシカシパンの2種に関しては個体群のほとんどを大型個体が占めており、新規着底の場所やサイズなど、生活史は謎に包まれている。そこで、長期間の個体群のモニタリングを行うため、スカシカシパンが高密度に生息する西伊豆・黄金崎ビーチ(左写真)において調査を行っている。


 黄金崎ビーチのスカシカシパンは、水深5〜10m程度の砂底に潜行して生活している。浅く潜行している場合は、右写真のように、表面に這い跡につづき、うっすら丸い輪郭に五本のすかし穴が確認されるために、多少の熟練を要するものの比較的容易に個体の存在を確認できる。しかしながら、砂に少し深く潜ってしまった個体は確認が難しく、個体識別の際には工夫が必要となる。


(写真:多留聖典)



(写真:多留聖典)

 そこで、多少砂に潜っても確認できるように、番号を書いたチューブをステンレスワイヤーで2cm程度浮かせて体後部のすかし穴に固定し、タグとした。2005年5月に最初の25個体にタグをつけたが、その際に約5m×5mの範囲の個体全てに標識できてはいないことから、黄金崎ビーチでは1平方メートルあたり1〜2個体が生息しており、少なく見ても数千個体が生息している計算になる。今のところ、約60個体にタグがつけられているが、まだまだ不足である。安良里ダイビングセンターでは、一般ダイバーの方々から里親を募集している。是非ご参加いただきたい。

※ (c) 東邦大学理学部東京湾生態系研究センター 引用元を明記しない引用を禁じます。
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