干潟生物調査・同定研修会 4月28日(木曜日)


 最終日の28日は、朝から強風でした。もっとも、野外調査は行わず、デスクワークのみなので、助かりました。まずはデータ整理と発表戦略会議。干潟生物目視観察調査のデータから起こした、観察者数と種数の発見効率についての傾向をスタッフの桝本が発表しました。確認種数の多い人順、少ない人順に並べた場合の比較では、かなり大きな差があることが明らかとなりました。観察者の習熟度合いとセンスが問われるということが示唆されました。


 続いて、センター長の風呂田による講義「小櫃川河口干潟の特徴」。もともとは調査前に予定していたのですが、調査時間をなるべく多くとりたいということで、最終日に行われました。やはり、実際に現場を見た後だけに、干潟の構造や生物分布などの話もすぐに参加者の方々に理解いただけたようです。


 そして、最後に反省会を行いました。多くの参加者からの意見、感想をいただきました。おおむね好評だったようで、スタッフ一同ほっといたしました。

ところが・・・


 スタッフが帰り支度をしていると、何か足りません。そうです。あれだけ苦労してとったサンプルが見あたらないのです。なんと、

「ゴミと間違えて収集車が持っていっちゃった」

らしいのです。与兵衛の方にお願いして、業者に連絡を取ってもらうと、まさしくその通りでした。しかも、すでにサンプルは高温焼却炉の中・・・。もう手遅れでした。
 各人が保持していた標本用のサンプルと、ソーティングの終わったサンプルは焼却を免れましたが、それでも失ったサンプルは17地点分・・・。無益な殺生をしてしまいました。
 私どもの中でも、このような事故は全員が初めてでした。皆様、たいへん申し訳ありません。このような目に合わぬよう、サンプルの扱いには気をつけましょう。


 このような不幸に見舞われて、たいへんにもの悲しい気分になったのはいうまでもありません。初めは追加サンプリングをすると意気込んでいたスタッフも意気消沈、足取りも重く帰途についたのでした。その他、固定されていないサンプルなども後ほど発見され、結局、後日に不足分のサンプリングを行うこととなりました。

 このようなトラブル情報は公開され、共有されることではじめて価値が生じます。その他の不幸な事故に見舞われた皆様、ぜひトラブル情報を公開していただけると嬉しく思います。その方が、なにも分析されることなく死んでいった生物たちも報われるに違いありません。


4月27日(水)


 研修会 top
 4月26日(火)
 
4月27日(水)
 
4月28日(木)

 追加調査 top
 
5月22日(日)
 
5月23日(月)

 小櫃川河口干潟の現状